カフェ シュクリン(cafe shukring) 2017.9.16

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時間という川の流れの岸辺に佇むカフェ

 

 その日私は、中央線中野駅北口の中古カメラ店に寄って、以前から気になっていた今は生産されていない小型のカメラを探していた

 そして・・・

 そのカメラは・・・そこにあった!

 

   「在庫は三つありますが、こちらのは如何ですか?」

 

 メガネレンズの向こうに潜む目元が涼やかで知的な印象を与える若い女性店員はそう言った。買い手と売り手のやりとりが一段落すると、こう付け加えた。

 

  「わたしなら、これにを選びます」

 

 「ブラック」が2点、「シルバー」が1点

 

 えんぴつのように細く白魚のようなキレイな指で、上部を銀の冠に覆われた息を呑むほどに美しい外観の小さなカメラを指差した。

 元箱と取扱説明書は欠品していたけど、たしかに未使用と思えるような美しい状態を保っていた・・・ずっとわたしを待っていたのかもしれない、身勝手な思い込みに背中を押されるように・・・これにします、と買う意思を伝えた。

 

 その店をでて、路地を抜け、小雨を避けアーケードのある商店街を北上し、大通りを渡った。そしてさらに北へ伸びる細くなった商店街をマップアプリに導かれながらインド料理店の扉を開けた。

 

「南印度ダイニング」

 

 10人も入れば満員になってしまいそうな小さなお店だった。しかし、料理は美味しかった。以前、カルカッタの同じような、決して清潔とは言えないが小さなお店で食べた料理と同じ味がした。

 チャイが提供されるとき、ウェイターさんが思いもかけないパフォーマンスを見せてくれた! 

 突然、銀の小さなカップから放たれたカフェオレ色の一掴みの液体が大きな弧を描きながら紐のように長く伸びて頭上高く舞い上がった!  まるで生きているかのように!  床に落ちる前に掴み取らなければ・・・! わたしは焦って咄嗟に手を出し掛けたが、間に合わなかった。しかしそのカフェオレ色の生き物は、ぁいや、液体はパフォーマーがもう片方の手に持ったこちらも小さな銀の器に一滴残らず折りたたまれるようにピタリと収まっていた。わたしは手品のようなこの見事なパフォーマンスに唖然とし、魅了され、シビレた!

 

 チャイは、見事なパフォーマンスに引けを取らず、美味かった!

 

 興奮冷めやらぬまま

 

 数分後、小雨が降りつづくなか、わたしはなにかに導かれるように「カフェシュクリン(cafe shukring)」のお店の前に立っていた

 

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フランス・パリのシャンゼリゼ通り・・・いえ、中野区新井一丁目。カフェ シュクリン(cafe shukring)

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大人でも思わず手が出てしまいそうな絵本がテーブルに並んでいます

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「火が点いてないのに赤くなってるね」「いや~ん、貴方がそんなに見つめるから」・・・会話を交わしているように見える、使い込まれた二つのヤカン

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コンテンポラリーアートのような手書きの黒板メニュー

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忙しそうなマスターさん。定年退職後、三年前にこのお店をはじめられたそうです

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ごく自然なカタチで神経がドリッパーに注がれる。コーヒーが抽出されはじめると、店内に芳香が漂い始めます。この瞬間がたまらなく好きです!

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きょう、仕事をした自分へのご褒美、至福!のひとときです

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女性のポスターの髪形、お化粧、衣装に目が釘付けになったとき、意識は一瞬間時空を超えて彼の時代にワープしていました

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お客さんの来店でマスターさん休むヒマがありません

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ガラスの向こうの商店街をお祭りの行列がゆく夏を惜しむかのように通り過ぎてゆきます

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お店斜め向かいの「中野寿温泉」の出入り口をお客さんがせわしなく行き交っています

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店内奥、CDの棚が吊ってある頑丈な扉。この扉は天井付近に敷かれたレールに自分の腕のトロリーをひっかけて載せ、左右に移動できるようにつくられています。この扉の向こう側に何があると思いますか? じつは、誰も気がつかない意外なヒミツが隠れているのです!!

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名残り惜しいですが、最後の一口を戴いておいとまします

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昭和を感じさせるモダンなレストルーム

 

 

 今日という日の中野の刺激的な商店街の1日が、いつもと同じように暮れてゆきます。しかし、いつもと同じように暮れてゆく今日の1日は、2度と戻っては来ません

 

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