カフェ yomo(羊毛)2018.5.19

 

砂漠の中のオアシスの カフェ

 

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中東のバザールのカフェのような『yomo』の店内

 

「写真は、そろそろ、程々に・・・」

マスターさんにそう窘められる。

気がつくとテーブルの上にシャンパングラスのような象の赤銅色のカップに注がれたアイスコーヒーが置かれていた。

『せっかく丹精込めて作ったのに、このおじさんは写真を撮るのに夢中で、アイスコーヒーをテーブルに置いたことに気づいていない・・・』

マスターさんはそう思っているのだ。

 

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白い髪留め

 

ドアを開けて足を一歩踏みいれたときから何故か親しみを感じていた・・・このお店の佇まいに・・・。

それで気が緩んで、しんとした室内の個性的な雰囲気に気を取られてしまったのだ。

いつものことながら『ちょっとまずいな』と思った。

席に座わり、器の表面にびっしりと水滴の付いたアイスコーヒーのカップを取りあげてノドの渇きにまかせて一気に飲んだ。

午後の強い陽射しのなかをあるいて体温の上がったカラダの中心を冷えたアイスコーヒーが一本のスジとなって落ちてゆくのがわかった。

ふうっと息をつくと鼻腔から漏れた呼気にアイスコーヒーの芳醇な香りを感じた。

 

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入口脇の席

 

カウンター内から、包丁で俎板をたたく小気味好い音が響いていくる。

その音を聞いたとき・・・、

マスターさんは怒っているのだと気づいた。

 

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カウンター内でお料理をつくるマスターさん

 

そう感じながらも・・・、

それにしても・・・、

此処はなんて居心地の良い空間なのだろう。

どうしてだろう・・・?

 

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薄暗い室内の砂漠色のカベを照らす灯り

 

仰ぎ見ると、天井がアーチ形になっていた・・・。

脳裏に一瞬、ある情景が浮かんだ。

気持ちが落ち着くのは、きっとこのアーチ形の天井のせいだ!

アーチ形の天井は、わたしに妙な安心感を与えた。

 

・・・また、旅の記憶が蘇っていた。

・・・意識は、イラン北部の都市「タブリーズ」の薄暗いバザールのなかを浮遊していた。

通路の両側に間口4〜5メートルほどの店が奥の方まで切れ目なく続いている。

それぞれのお店の天井はアーチで統一されている。

天井をアーチ形にするのは、天井を象作っている分厚い石材の重さに耐えるように強度を持たせるためだ。

天井の上には砂漠から風に吹かれて運ばれてきた数十センチもの砂が被っている。

上空から見たら、ここに一つの町がすっぽりと入ってしまうほどの超巨大なスークがあることは分からないだろう。

通路をリヤカーにラグビーボールのようなスイカをいっぱい積んでロバが口から泡を吹きながらカポンカポンという音を響かせて通り過ぎる。

ひつじの群れが悲鳴のようなけたたましい鳴き声をあげながら目の前を横切ってゆく。

行き交う人の群れとそのひといきれ。

幾種類もの香辛料の混ざり合った強烈な匂いが食欲を刺激し眩暈を誘発する。

通路の所々にマンホールのフタほどの丸い光の池が地面に広がっている。

見上げると光の池と同じ大きさの空がアーチ形の天井の隅にポッカリと口を開けていた。

わたしはいつしか道に迷って行き止まりの広い場所に出た。

そこに三十代後半くらいだろうか・・・一人の男性が大きな絨毯の修復作業に勤しんでいた。

片言の怪しい英語と、なんと! それぞれの母国語とを織り交ぜながらの会話がはじまった。

会話は不思議なことに辛うじて成立している!

彼は「自分は、ゴラムリザ」と名のった。

そして明日、もう一人の彼の友人も加えて一緒に近くの遊園地へゆく約束を交わした。

⚠️旅先で、見知らぬ人と決してこのような約束・行動はしないようにお願いします!

 

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マスターさんのお料理は砂漠の街のレストランの味を思い出させてくれた

 

遊園地は標高100メートルほどの街からすこし離れた里山の中にあった。

この山は、なんと! 樹木に覆われていた!

砂漠の大地ではあり得ないことだ。

何処にも水が無いのに!

不思議なことがあるものだ!?

と思ったら、やはり不思議なことなんかはない!

山のてっぺんから人工の水を定期的に大量に流して緑を保っているのだった。

因みに街の中の乏しい街路樹も、日に何度か側溝に人工の水を流して辛うじて保たれている。

 

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お会計は奥へどうぞ

 

ずっと前のイランの旅・・・、

話しが終わらなくなってしまった。

この辺でゆびの先にギュッとチカラを入れてえんぴつの先を折ってしまおう。

旅のブログになってしまう前に・・・。

 

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『yomo』さん外観

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タブリーズ(イラン北西部)のスークの中にあるモスクの壁面を飾っていた星形とクロス十字のタイル。
タイルの年代は、新しいように見えるけどほぼ400~600年前のものと推測される。

 

上のタイルは、長い期間にわたって修復作業が行われていたモスクの現場責任者から特別な許可をいただいて譲り受けたものです。

 

 

『YOMO』(羊毛)

基本情報:

所在地:蔵野市中町 3 – 4 – 4  武蔵野ビューハイツ 一階(道路側)F 号室

営業日 : 日曜日 営業

営業時間:【火~土】
     13 : 00 〜 18 : 00
     【日】
     13 : 00 〜 21 : 00

定休日:月曜日、年末年始

でんわ:0422 – 36 – 4063

オープン:2009 年 6 月 6 日

最寄駅:JR中央線 三鷹駅
    徒歩 13 分
    直線距離 約 1 キロ

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ABOUTこの記事をかいた人

Autor : ケン 東京都小金井市在住 個性派系カフェブロガー 個性派系カフェを探して武蔵野界隈に出没中